唐桑御殿つなかん

ありのまま記

越冬にむけて。


初霜がおりて、初雪がふり、こたつをつけ、ストーブをだす。
つなかんから車で10分くらいの、崎浜に住んでいるおばちゃんから、大根ができてきたから、もうスーパーで大根は買わなくていい、という連絡が来くる。

いよいよ冬がくる。というか、もう来てしまった。

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ここに来る前に住んでいた札幌で「越冬」ということばを、始めて知った。スーパーマーケットに行けば毎日、全国から届く、新鮮な野菜が買える時代じゃなく、冷蔵庫もない時代。

 

雪国では、雪に包まれる冬が来る前に、その間に食べる食料を準備しなくてはならなかったそうだ。
川に上がってきた鮭を獲って、干物にしたり、大根でたくあんをつくる。飯ずし(いずし)と言って、魚を米で発酵させたものをつくる。飯ずしは美味しかった。冬の北海道に行ったら食べてみてください。
あとは、暖をとるために、山に入り、木を切って、乾燥させて、薪をつくる。お客さんからそんな話を聞いて、「冬」は「越」えるものだったのかと、暖房で暖かい鮨屋の店内で思った。

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すんごい昔の話ではなく、崎浜のおばちゃんが子どものころは、そうだった。今でも、おばちゃんは、「越冬」の準備をするかのように、たくあんをつけたり、できた野菜を土に埋めて保存したり、毎日忙しくしている。

僕は、とりあえず、大根で浅漬けをつくった。柚子もなってきたので、入れた。秋に乾燥させたシソの実もいれた。浅漬けは日持ちしないので、冬は越せないけど、まぁ今の時代だからいいかと思いながら。

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漬物も、薪をくめるのも、絶対しなくては死んでしまうことから、やりたい人はやる。という贅沢なものに変わっていき、じゃあ、今の時代、何をしないと、死んでしまうのか、、。
と考えると、お金がないと、ご飯が買えなかったり、電気を止められてしまったりするので、働かないと死んでしまう。ということになる。

ただ、日本では、生活保護で、最低限死なない生活は保障されているはずなので、だったらもう、「これをやらないと、死ぬ」ということは、そんなにない。
越冬の準備をしなくてよい、この時代は圧倒的に自由だ。かと言って、崎浜のおばちゃんたちが、現代のこの便利さを使いこなしているかというと、そうでもなく、今でもこたつは練炭を使っているし、自給自足のような生活をして、まぁ、すごく満足そうに生きている。遊びにいくと、「ごはん、食べたのか?」と心配してくれて、ジュースや菓子パンをくれる。
おばあちゃんや、おじいちゃんも、生活の中で、自分のやるべき仕事(例えば、干し柿をつくったりとか)がある。本人はどう思っているか知らないが、こちらからは、満ち足りてると感じられて、ここでの、暮らしも、まんざらではないなと思う。

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牡蠣もまんざらではない牡蠣に仕上がってきています。

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