唐桑御殿つなかん

ありのまま記

来年もよろしくお願いします「一代の本音」


「皆様のおかげで

今年は大変なことがあって

今年はいろいろありましたけど

なんとか新しい年を迎えることができます」


今年最後の一代インタビュー。雪が降っております。

「冬ってさ、やっぱり閑散期なんだけど、今までは牡蠣養殖の繁忙期だったでしょう?

だから、気づかなかったのよ!
こんなに時間空くとはねぇ」

という訳で、のんびり?した冬を過ごしております一代さんです。
みなさん、つなかんで一代女将とゆっくりまったりおしゃべりするなら今の時期がチャンスです。

「まだ一日一日を生きるのに精いっぱい。

来年はああしたい!こうしたい!っていう夢はまだ持てないかな。
いま、とりあえず『息』していこう。というカンジ。

正直な気持ちね」

そんな今年を振り返ってみます。
一代さんにとって、再開した「つなかん」はどういう存在だったんでしょう。

「お客さんと夢を語れる場所がつなかんかな。

正直まだ、未来も過去もなくて。

でも、こうやってお客さんとわいわい話してるとね、
たとえ一瞬でも『え、それいいじゃん!やってみたいね!』って夢を語れるのよ。
あったかくなったらああしたいね、こうしたいね、って実際に思えるしね」

うんうん。再開から早半年。
「未来も過去もまだない」一代さんを、つなかんは「夢を見る」場所として支えていました。


(「ゆきだぁぁぁ」つなかんと一代さん)

じゃあ、お客さんにとって「つなかん」はどういう存在になっていくんでしょう。

「事故がある前はね、『とにかく楽しい時間を過ごしてもらいたい!』っていう気持ちでつなかんをやってたのね。

でも、今はなんていうか、私の経験を、辛いことを背負った人に活かしてもらいたいって思うようになったの」

「世の中生きづらいなぁって感じてる人っていっぱいいると思うんだよね。

そんなときにどう生きていくか。
こういう場合どうやって考えればいいんだろう?

そういうことを一緒に考えることもできるような、
ちょっと休みにおいでよっていえる宿になりたいな。それが願い。

駆け込み寺の玄さんじゃないけど、
私でも、まだ、みんなの役に立てる何かがあるのかなぁって」

一代さんらしい宿だね。

「私さ、幸い優秀じゃないから、かけ引きって全く考えられないから!
話すこともできないかもしれないけど。気持ちの波長は合わせられるっていうか」

「でね、これってホテルや旅館にない要素だと思うの。私にできることだと思うの」

——

どう?一代さん、前向きになった?
と、ときどき気仙沼内外で尋ねられます。

前向きかどうかは分かりません。

でも、なんていうか、深まってるなぁと感じる半年でした。
前か後ろかっていう話じゃない気がします。

「つなかんって人と人とがつながれる場所なの。

つながらざると得ない環境っていうか(笑)

でもね、今の時代だからこそ、それが必要なの」

6月、民宿再開の直前に一代さんが語ってくれたことでした。
これがきっと養殖業をたたんでも、民宿つなかんを再開させよう思った理由なんだろうなぁと。

お客さんの心にたっぷり休んでもらって、
お客さんに少し夢を見せてもらって、
前を向くんじゃなくて、なんだか深まっていく関係と空間。

来年も深化する「唐桑御殿つなかん」にどうぞご期待ください。


(インタビューが終わると…唐桑の漁師さんがメカブをもってきた。漁師のまちならではの調達方法。)


(気仙沼の海の幸と地酒と一緒に待ってます~!)

(文·加藤拓馬)

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